日本年金機構が標的型メール攻撃を受け、保有していた個人情報100万件以上が流出してしまった事件は社会に大きなインパクトを与えた。その後調査が進むにつれ、他のいくつかの行政機関や企業も同様に標的型攻撃を受け、個人情報が流出していたことが明らかになっている。 一連の事件は、システム設計や運用も含めたセキュリティ対策のあり方に一石を投じたと同時に、個人情報の流出が与える影響の大きさをあらためて明らかにした。ここからどんな教訓が得られるのか、個人情報やパーソナルデータをめぐる未来はどうなるのかを、国立情報学研究所(NII)アーキテクチャ科学研究系 教授の佐藤一郎氏に伺った。 年金機構やベネッセの情報漏洩事件、怖いのは「間接的な被害」 日本年金機構の情報漏洩事件で漏れた個人情報は、氏名、生年月日、住所と基礎年金番号の組み合わせです。漏洩の一件が明らかになってから、「あなたの個人情報が漏れています」と
![「かつての公害のように、情報技術が社会問題を生みつつある」 (1/3)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9e70e1f41c3cb1c2f34f5c1c2c00bdd5e06b3675/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fascii.jp%2Fimg%2F2015%2F07%2F07%2F1031649%2Fl%2F373bc7233610c363.jpg%3F20200122)