パリの同時テロを受け、フランス地域圏議会選で極右政党の国民戦線(FN)が歴史的勝利を収めたそうだが、英国では、シリアへの空爆拡大が下院で可決された2日後に、「強硬左派」ジェレミー・コービン党首が率いる労働党が白星をあげた。 コービンが労働党首となって最初の補欠選挙となったオールダム・ウエスト・アンド・ロイトンの選挙で、苦戦するという予想を覆して労働党候補者が圧勝したのだ。 空爆拡大の是非を問う下院採決では、60名を超す労働党議員が党首に従わず空爆拡大賛成派に回り、労働党はいよいよ分裂かと取り沙汰されていた。特に、影の外相ヒラリー・ベンが、イラク戦争開戦前夜のトニー・ブレアの演説のコピーのようなアゲアゲ系スピーチで「ファシストと戦うのが英国のトラディション」などとぶち上げて大絶賛されたものだから、「コービン体制は終わる」「ヒラリー・ベンが新党首か」と囁かれ始めていた。 が、そのわずか2日後、
イギリス労働党コービン旋風が問う「格差」(下) 「ニュー・レイバー」を超える、新しい社会民主主義の姿 坂本達哉 慶應義塾大学経済学部教授 「格差」問題における正義と人権 「格差」とはまずは「経済的不平等」のことである。マルクスの古典的資本主義観では、経済的不平等は資本家による労働者の「搾取」(剰余労働の無償取得)の帰結であり、すなわち階級問題だった。 したがって、その最終的解決は、この階級搾取の構造それ自体を廃棄すること(社会主義革命)であった。 ところが、マルクス以降の資本主義の変化によって、この展望は根拠を失う。 国家は労働者の利益を図る社会政策を開始し、政治家は、党派の別なく、労働者階級の利益を公約として掲げ始める。 こうして第二次世界大戦後、労働党アトリー内閣の下で「ゆりかごから墓場まで」の福祉国家が実現した。 しかし、ブレア以前の労働党では、格差や不平等の問題は、基本的に、資本対
軍需産業の高笑いが聞こえるようだ。われわれは「半月の暗闇に生きる人々の声」にこそ、耳を澄ませたい。 英国がシリア空爆に踏み切った。過激派組織「イスラム国」が資金源とするシリア東部オマル油田の施設を破壊したと発表した。 だが空爆だけで「イスラム国」打倒が可能だと信じる人はまずいるまい。 野党労働党のコービン党首は「巻き添えで無実の人々が死ぬのは避けられない」と空爆に反対していた。これに対しキャメロン首相は空爆反対派を「テロリストの共鳴者だ」と決め付けた。短絡的で思慮を欠く発言だ。 コービン氏の言う「巻き添え」こそ、空爆という行為の本質ではないか。遠く離れて発射する空爆で、市民に紛れた戦闘員だけを狙い撃ちできるはずはない。 巻き添えによる死を当然視するのは非人道的だ。化学兵器や地雷はまさに無辜(むこ)の市民を殺傷する非人道性を指弾され、国際社会は禁止条約を結ぶに至った。空爆も同じ扱いであるべき
イギリス労働党コービン旋風が問う「格差」(中) 個人の視点と、痛みや苦悩への共感 坂本達哉 慶應義塾大学経済学部教授 コービン旋風の新しさ――「階級」から「個人」へ たしかに、コービン党首の目玉政策は「ニュー・レイバー」以前への先祖返りを思わせる。鉄道事業の再国営化、法人税の引き上げによる大学授業料の無償化、国民健康保険制度(NHS)の強化など、いずれも「大きな政府」の主張であり、ブレア以前の労働党の政策だ。 しかし、彼の発言を注意してフォローすると、古い労働党とは明らかに異なる特徴があることに気づく。 なかでも、「階級」から「個人」への力点の変化がある。 伝統的な労働党のレトリックでは、「労働者階級」がキイワードであった。労働党は何よりも労働者階級の党であり、その利益に奉仕する組織であるという考え方だ。 この考え方は、ブレア氏による党規約第4条の改正によって克服されたはずであったが、実際
コービン党首誕生の衝撃 イギリスに「コービン旋風」が吹き荒れている。今年(2015年)9月におこなわれた労働党党首選の結果、現在66歳のジェレミー・コービン下院議員が他の3候補をおさえて圧勝したのである。 予想された結果ではあったが、その衝撃は大きかった。コービンとはいったい何者なのか。 彼はイングランド南部に電気技師の父と数学教師の母のあいだに生まれた。 スペイン人民戦線で知り合った父母のDNAを継いだのか、公立高校在学中から労働党の政治活動を開始、卒業後は地元紙の記者を経て、「海外自由奉仕団」(VSO)にて2年間をジャマイカで過ごす。 帰国後はロンドンの工学専門学校に学ぶが、卒業せずに労働運動や組合活動に専心。現在の妻は3人目でメキシコ移民。3人の息子の父親である。 このような経歴は、ジャマイカでの2年間をのぞけば、労働党の古参党員としては珍しくない。 しかし、党首候補としてはきわめて
David Cameron has appealed to Conservative MPs to give him an overall parliamentary majority in favour of military action in Syria by warning them against voting alongside “Jeremy Corbyn and a bunch of terrorist sympathisers”. MPs will vote late on Wednesday after a10-and-a half-hour debate in the Commons. Amid Downing Street concerns that support among backbench Labour MPs is weakening, the prime
Jeremy Corbyn is on a collision course with his shadow cabinet over his opposition to UK air strikes in Syria. Half of them support military action - and some have warned of resignations if he forces them to back his position. The row erupted after the Labour leader wrote to his MPs saying he was not convinced by David Cameron's case for bombing IS targets in Syria. Some shadow ministers felt he w
Speaking in parliament in 2013, during a debate to mark the 10th anniversary of the war in Iraq, Corbyn said that “on something so fundamental as the deployment of armed forces, a free vote is the right thing to do”. The Labour leader, who was a backbencher at the time of the debate, said there needed to be a vote in parliament before any armed forces were sent to Syria. “Some people think that wh
Jeremy Corbyn says he supports any "strictly necessary force" needed to protect the UK in a terrorist attack. His comments, to the party's ruling executive committee, came after he told the BBC he was "not happy" with police operating a shoot-to-kill policy. This led to criticism of the Labour leader's stance from some of his MPs. Prime Minister David Cameron urged him to "review his remarks" sayi
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