福島第一原発の事故を受けて、骨髄移植・被曝治療の専門家である米国人医師、ロバート・ゲイル博士(65)=写真=が来日した。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故のあと、現地で被曝者の治療にあたった経験をもち、「チェルノブイリ―アメリカ人医師の体験上・下」(岩波新書)という著書がある。1999年の東海村JCO臨界事故の際も来日している。 博士は3月22日午前、都内で記者会見した。 まず強調したのは「原子炉が爆発したチェルノブイリや、臨界が起きて至近距離で破壊力の大きい中性子線を浴びたJCO事故と、現時点では放射性物質のほとんどが格納容器内に収まっている福島の状況は全く異なる」ということだった。また、「現場で作業をしている人と、そうではない人のリスクも全く違う」とも。「今の福島のレベルであれば、一般の住民にとっては、喫煙の方がよほど発がんリスクが高い」 会場の記者からは「米国などは原発の周囲80キロ以内