【ロンドン=中沢謙介】日本銀行の白川方明総裁は10日夜(日本時間11日未明)、ロンドン市内で講演し、2008年の金融危機後のユーロ圏や米経済と、1990年代のバブル崩壊後の日本経済について「類似点が多い」などと述べ、欧米経済の不振が長期化する懸念を示唆した。 白川総裁は、欧米が日本同様の道をたどるかどうかについては明言を避けたが、金融政策が効果を発揮しにくくなっている、と分析。今後の見通しでは新興国経済の動向などがカギを握ると指摘した。 また、欧州財政・金融危機に対する欧州中央銀行(ECB)の役割については、「中央銀行はすべての問題を解決できる組織ではない」と述べ、政府による危機対応が欠かせないとの見方を示した。