中国・北京(Beijing)の自宅台所でセーターを編むウー・ルイさん(2012年9月4日撮影)。(c)AFP/WANG ZHAO 【10月3日 AFP】中国・北京(Beijing)に住む55歳の女性、ウー・ルイさんは、1人娘を12歳で亡くした。そのときウーさんが失ったものは、たった1人のわが子だけでなかった。老後の安全と支えとなるはずだった存在もなくなってしまったのだ。 ウーさんは今、老朽化した2部屋の住宅に高齢の両親とともに、急病にかかることを恐れながら暮らしている。収入はわずかな年金だけで、治療費を支払えるあてはない。 中国の「一人っ子政策」では、一般的に1人の子どもが親2人と祖父母4人の面倒をみることになる。そして唯一の子どもを失った家族には、面倒をみてくれる子どもは1人も残らない。 1980年に一人っ子政策が導入されて以来、たった1人の子どもを失った家庭は推定100万世帯に上る。さ