脱構築研究会主催のイベント「25年後の『存在論的、郵便的』から『訂正可能性の哲学』へ──東浩紀氏とのディスカッション」(2023年9月2日)のyoutube動画を見た。長い動画だったが、私が最も印象に残ったのは、宮崎裕助氏の「訂正可能性の概念は革命の可能性を含むのか否か」という問いに対して、東氏が「ぼくの考えでは革命はないです」「ぼくたちが革命と呼んでいるものも実際には革命ではない」「ああいう社会そのものがリセットされるという欲望そのものが近代の幻想なんじゃないでしょうか」と、きっぱりと断言したことである。氏は、アーレントやトックヴィルのフランス革命批判を評価し、「クーンのパラダイムシフトもロマン主義的なところがあるのではないか」と疑問を呈する。 このやりとりはそれ以上発展しなかったが、革命不可能性が訂正可能性の前提にあることは、東氏の理論のおそらく訂正不可能の本質的な論点であり、私として