日本は未曾有の大災害に見舞われたが、被害に遭っても冷静で動じない日本人の態度は海外で高い評価を受けているようだ。 人間は大きな災害に遭遇すると、将来的を案じるよりも、この時間を生きることにエネルギーを燃やす生き物なんだな。 太平洋戦争を生き抜いた日本人は、戦後の混乱の中でも、今、自分たちが生きているということを実感できたし、困難な状況を嘆く前に、生きる喜びを味わっていたはずだ。 原子力発電所の近くで被災した人たちだって、パニックにならず、今できることをやりながら、前を向いて生きている。 今回の不幸な災害をきっかけに、今まで日本人が失いつつあった気質、例えば礼儀正しさ、謙虚さ、勤勉さ、人情などが甦っているようだ。 日本は、もともと「相互扶助」の国だ。聖徳太子の時代から「和を以って貴しと為す」ってのが国是のようなもので、それが連綿と続いてきた。 「終身雇用」もその表れだ。大企業では社員の面倒を