――島崎藤村は要らない本を海に捨てたそうである。 ほんとですか島崎先生。なんと御無体な。 「先生は本が少したまると、品川沖まで小舟でこいで行って、水葬にして来られたのである。」透谷全集の編纂で知られる文学史家の勝本清一郎が随筆集『こころの遠近』所収の「藤村の憶い出」で伝えるところで、これを引用しているのは鈴木地蔵の「尻子玉――勝本清一郎の行蔵」、新著『文士の行蔵』の巻頭に収められた論攷である。 行蔵とは論語にある言葉で出処進退の謂。著者は勝本のエッセイから藤村と勝本とのつながりの探索に乗り出し、その探索行のあれやこれや――林達夫の言葉を借りれば「てんやわんや」――を、年刊誌「文游」に四年越し、三回に亙って綴ったのが「尻子玉――勝本清一郎の行蔵」で、「島崎藤村は要らない本を海に捨てたそうである」はその冒頭の一文である。 藤村は寄贈された不要の本を古本屋に売り払うのを潔しとせず、かといって他人
『そらのおとしもの』という、中2願望が結晶化したようなアニメが始まった。ひどい言いようだが、公式サイトでも「人は誰もみな、中2という翼を持っている」「落ちモノ妄想コメディ」と掲げているのだからしかたがない。 ラノベ業界に片足を置いている(と思う)私は、こういう視聴者に迎合しまくった作品に辟易する。脳を甘やかした青少年がバカになっていくのを憂えてもいる。だが、この動画を観て居ずまいを正した。 CGで精緻に造形されたパンツが羽ばたき、群れをなして空を渡っている。その動きは鳥そのものだ。個体としての鳥だけでなく、編隊を組む様子が実に見事である。おそらくboidプログラムのようなものを使っているのだろう。V字編隊を組む様子は雁のようだが、飛び立って乱舞するさまは鳩や椋鳥のようでもある。そして最後には固定翼モードになり、マッハ3で巡航するSR-71を追い抜いてゆく。この速度域では羽ばたき飛行などあり
アニメ雑記どうも、またまた久し振りの更新です。 いやはや、しかし、ぼくが夏アニメも碌に消化できていないでいるというのに、世間ではもうすでに秋アニメも2週目、3週目に突入しようとしているんですね、怖……。もうほんと、多忙ゆえにほとんどアニメも観れていない生活を送っているのですが、ただ、忙しいのは皆同じなわけですし、更新できない理由を忙しさのせいになどしないという健気な人物を演出するため、当ブログではその事実を伏せておくことにします。 そんなわけで、皆が新作アニメのレヴューで盛り上がっている中、その話題に乗ることができないわれわれは、代わりにほとんど話題にもなっていない、そのうえ既に公開が終わってまでいる劇場公開アニメの話でもしてみようと思います。といっても、何もわざわざマイナーな作品を選ぶことで、「われわれは周りとは目の付けどころが違うのですよ(笑)」、という中二アピールをしては冷笑を買おう
しかし、もはやそんな時代ではない。会社に奉仕して無理して体こわしても、挙句に放り出されるのが関の山だ。それよりも、いざというときには助け合う家族のほうに、普段からエネルギーを注いでおくのが当然。そういうふうに、だんだん変わっていくだろう。 私自身は女だから、終身雇用という幻想は過去にただの一度も持ったことはなく、だから社畜になるというインセンティブも全くなかった。会社のために無理して体を壊しても、誰も面倒など見てくれない、バカバカしい、自分と自分でつくった家族でなんとかしなきゃいけない、という考え方をずーっと持ってきた。今の若い層の方々は、おそらく私と同じ考えなのだろうと思う。 心配しなくても社畜はしばらくしたら絶滅するだろうけど という記事を読んで、どうにもこうにも気になってた話をちょいとばかり。というか、まぁ、ここ数日くらい、はてな界隈で話題になってた話は、最終的に「団塊世代の介護や医
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く