HSPとは、Highly Sensitive Person(とても敏感な人)の略語で、ユング派の心理療法家、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。 アーロン博士の著書は全米でベストセラーとなり、日本でもHSPという用語が一般に広まりました。 ところが、精神医学や臨床心理学の専門家は、この用語や概念を「科学的な精緻さに欠けた議論」とみなして、ほとんど黙殺してきたといいます。 ただ「敏感すぎる」という症状だけでひとくくりにしたのでは、的外れな理解や見当違いのアドバイスを生んでしまう危険がある、というのがその理由の1つでした。すでに精神医学的には、過敏性についての厖大な研究が行われてきており、遺伝子レベルから心理的レベルに至るまで、多くのことがわかってきているからです。 けれど一方、HSPという言葉がこれほど広く受け入れられたということは、専門家に診断や手当てを求めるほどではなくても、過