名古屋では4月下旬に旬を迎える竹の子.本格的な春の訪れを告げる食材です.竹の子にはアクが多く含まれるので,アク抜きをして料理すると思いますが,この「アク」って何でしょうか. 「アク」は漢字で「灰汁」と書くこともあるように,無機物であることが多く,竹の子などの渋味成分はおもにシュウ酸(水溶性シュウ酸.シュウ酸ナトリウム)です.シュウ酸の化学式はHOOC-COOHで,多くの植物に含まれます.ヤマイモで作るとろろが口の周りでちくちくするのは,シュウ酸カルシウムの針状結晶が刺さるためです.なお,柿,お茶の渋味はこれとは違います(おもな渋味成分:タンニン). そこで,タケノコ(700g~1kgのものの半分)をお湯(1L)で20分ほどお湯で茹で,煮汁を冷ました後,水酸化カルシウム水溶液を加えます. 水酸化カルシウム水溶液は,海苔やおせんべいの袋の中にある白い乾燥剤(生石灰)を水に溶かし,コーヒーフィル