首都圏や大都市圏で熱を帯びる中学受験(以下、中受)。今年の受験シーズン中も入試問題の難しさが話題になった。SNSでは「この問題を小学生が解くのか」「大学受験並みだ」といった声があふれた。親世代の中受経験者は、自分たちの時と比べると「勉強量は3倍」と言う。なぜ、中学入試の問題はこんなにも難しくなったのか。出題する中学校や問題を作る教師、学習塾、保護者、専門家を取材した。(文・写真:国分瑠衣子/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) まずは、この問題を見てほしい。千葉県の難関・渋谷教育学園幕張中学校の入試で、2024年に出された「社会」の問題だ。正しく答える自信があるだろうか。 「……次の図は日本の下級裁判所と最高裁判所における刑事裁判の法廷の見取り図です。下級裁判所のものを、すべて選び番号で答えなさい」という設問文に続いて、裁判官・裁判員、検察官、被告人、弁護人の着席位置が図に示され