イベント/講座リルケ『マルテの手記』を読むー講義と対談ー松永美穂さん、斎藤環さんを迎えて レポート 9月3日東京ドイツ文化センター 東京ドイツ文化センター図書館で行なわれている連続講座「ドイツの古典図書を古典新訳文庫で読む」。第6回目となる今回は、古典新訳文庫で『マルテの手記』を翻訳されたドイツ文学者の松永美穂さんと、精神科医として活躍される一方で、幅広い批評活動でも知られる斎藤環さんをお招きしました。 講義の前半は、松永さんとリルケとの出会い、そして『マルテの手記』の読みどころについてお話をうかがいました。 大学時代に『マルテの手記』を初めてドイツ語で読んだときの新鮮な驚きを、今でもとてもよく覚えていると語る松永さん。とりわけ印象深かったのは、次のような一節だったそうです。冒頭で、マルテが街角で女性とすれ違う場面---- 『マルテの手記』にはこのような、現実とも白昼夢とも思われる不思議な