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2017年11月21日のブックマーク (1件)

  • 『坂口安吾論』 柄谷行人著 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    突き放すものの美 砂浜に引きあげられた舟の舳先(へさき)に腰かける坂口安吾。このの表紙に使われている写真はその姿を撮ったものである。ある地方の海辺での一枚だが、足は地面から高く離れ、目は遠くの空を見つめている。「ふるさと」の密着したぬくもりを拒絶しながら、見えない何かに親しんでいるような。 親密さをまとった風土ではなく、ただ広がる海と空のように「単調で果てしないもの」、そして聴き手を残酷に「突き放す」物語に、むしろ真の「ふるさと」を安吾は見いだした。後者では予想をこえた不快な物事が、むしろ崇高な美を帯びたものとして立ち現れるだろう。そうした洞察に安吾の特異性と、特異であるがゆえに発見しえた人間の生についての普遍的な原理を、柄谷行人は読み取っている。 一九九八年から安吾全集の月報に連載した論考が、約二十年をへて一冊のにまとまった。柄谷がまず強調するのは、安吾の思考に見られる「時代錯誤性」

    『坂口安吾論』 柄谷行人著 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
    hharunaga
    hharunaga 2017/11/21
    “親密さをまとった風土ではなく、ただ広がる海と空のように「単調で果てしないもの」、そして聴き手を残酷に「突き放す」物語に、むしろ真の「ふるさと」を安吾は見いだした”