本書は、「社会的紐帯」という術語を手がかりに、現代社会の「つながり」が孕む諸問題を根底から捉えなおし、その理論と病理、そして可能性を紡ぐ。哲学、精神分析、現代政治理論における、気鋭の若手研究者たちによる意欲的な論集。 「まえがき」より(帯文) 社会をまとめあげる「つながり」の崩壊を眼にしたとき、ひとびとは新たな「つながり」を希求するだろう。……しかし容易に予測されるように、同質性の強化は同時に、異質なものの排除を必然的に伴うものであった。過少なつながりから過剰なつながりへ、そして絆のほどきから絆の押し付けへと進むドラマは、私たちが他者および共同体との〝適切な〟距離を見失っていることを、もっと言えば、そのような〝適切な〟距離など最初から存在しなかったであろうことを忘却させるよう作用しているのである。 【内容紹介】 ○「まえがき」(pp.7-15)【PDF:600KB】 【書評情報・関連記事】