「畳の縁は踏まない」という行儀作法 昨今、アパートやマンションに限らず、一戸建てでも「和室よりも洋間の数の方が多い」という家が少なくないようだ。たしかに掃除はもちろん、メンテナンスの点でも、和室より洋間の方に分がある。 とはいえ、やはり日本人にとって和室は魅力的な空間だ。真新しい畳の香りは清々しい気持ちにさせてくれるし、寝転がったときの固すぎず、柔らかすぎずという適度な感触は、洋間のカーペットやソファーでは味わえない。 ところで、自分の家に畳はなくても、訪問先の家で畳の敷かれた和室に入ったときに気をつけたいのが、「畳の縁は踏まない」という行儀作法である。 畳は、イグサを編み込んで作られた「畳表」と呼ばれる敷物で板材をおおっている。その縁には「畳縁(たたみべり)」という帯状の布が縫いつけられていて、畳表を留める役割をはたしている。一方、畳縁には装飾の意味もある。たとえば、おしゃれな模様があし