自衛隊が運営する大規模接種センターの視察を終え、記者の質問に答える菅義偉首相(手前)。奥左は岸信夫防衛相、同右は中山泰秀防衛副大臣=2021年5月24日、東京都千代田区の大手町合同庁舎3号館 17日から始まった大規模接種会場の予約では、サイトに接種券番号や生年月日を入力する必要がある。しかし、防衛省は接種券を配る自治体の市区町村と番号を突き合わせておらず、架空の番号や生年月日でも予約ができてしまう。 毎日新聞と朝日新聞出版の記者は、この不備を確認するために実際に予約を行い、そのうえで「公益性が高い」と判断して毎日新聞やニュースサイトのAERA dot.に検証内容を掲載した。これに岸防衛相が噛みついたのだ。 「無理に急ぐと混乱する」との声に耳を貸さず 国家権力とマスメディア、報道される側と報道する側、この両者の対立はよくあることだ。 だが、今回の岸防衛相の「悪質な行為」との批判には驚かされる