東京都日の出町内の山林の四カ所で、民間業者によって開発計画と異なる造成工事が行われ、昨秋には一部で盛り土が流出するなどしていたことが、関係者への取材で分かった。周辺住民は「事実上の残土処理場で、土砂災害が起きるのではないか」と不安の声を上げる。(布施谷航) 町などによると、四カ所の造成現場は二〇一六年以降に、都内や神奈川県内の複数の事業者が都の許可を得て工事に着手。三カ所は「資材置き場」にするとして現在も工事中で、町が調べたところ、雨水処理槽や擁壁などが設置されていなかったり、盛り土の傾斜が計画より急だったり、土砂災害防止策が不十分であることが判明した。 このうち約五万八千立方メートルの土砂を埋め立てる計画の同町大久野の現場では、昨年九月に盛り土が流出。流出後も土は高さ三十メートルほど盛られたままで、柵は人の膝の高さ程度しかなく、三〇〜四〇度の急傾斜であることから町はさらに崩れることを懸念