朝日出版社は1962年設立。教科書、雑誌、書籍など幅広い刊行物で知られている。九段下の自社ビルには、同社労働組合による「不当な会社売却反対」「出版文化を壊すな!」という垂れ幕がかけられている M&Aとは、企業の「合併と買収(Mergers and Acquisitions)」。うまくいけば、売り手企業は後継者問題の解決・従業員の雇用維持など、買い手企業は事業拡大・従業員確保などが可能になる。 しかし、昨今M&Aにまつわるトラブルが続出。M&Aの最中で突如取締役が解任された朝日出版社とその関係者、中小企業論の専門家に話を聞いた。 ■異常に安い買収価格。好条件の提案も拒否 日本企業によるM&A件数は今年上半期に過去最高を更新。その一方、M&Aに端を発する急速な財務悪化で老舗AV機器メーカーの「船井電機」が破産したように、M&Aを巡るトラブルも後を絶たない。1962年設立の中堅出版社「朝日出版社
