2007年6月25日のブックマーク (1件)

  • 『SAW』と密室的想像力 - 仮想算術の世界

    最近のアメリカのドラマは密室のテーマに憑かれている。たとえば、『24』が時間的な密室だとすると、『LOST』の島は空間的な密室であり、また記憶の密室だとも言えるだろう。映画でいうと、僕の知る限り、『SAW』シリーズの密室のイメージがやはり秀逸だ。実は『3』はまだ見ていないのでトータルな意見は言えないのだが、とりあえず『2』の設定はたいへん興味深い。 僕の考えでは、『2』の良いところは、密室の世界をその外の世界の論理からうまく切り離しているところにある。密室というのは現実と地続きなのではなく、かといってまったく別物なのでもなく、いわば現実を特殊なプレイヤーで再生したようなものなのだ。だから、現実世界の通常の論理だけでは、犯行現場=密室に行き着くことはできない。これは実は『1』も同じなのだが、『1』には演出上いくつか問題があって、ところどころ現実と地続きになっているように思えるシーンがある。