前回紹介した「VT-x」と「VT-i」はCPUを仮想化する技術である。これに対して,「ダイレクトI/Oテクノロジー(VT-d)」は,I/Oを仮想化する技術だ。特に,チップ・セット,I/Oコントローラ,メモリー・コントローラの部分を担うのがVT-dである(図1)。以下では,このVT-dについて詳しく解説する。 図1●PCのプラットフォームにおけるVT-dの位置付け。チップ・セットに搭載され,各種I/Oデバイスを仮想化する。PCI ExpressデバイスがCPUを介さずにメイン・メモリーとの間でデータ転送を行う際に,適切にアドレスを変換するのもVT-dの役割である 3種類のI/O仮想化モデル I/Oの仮想化にはいくつかの手法がある。代表的な手法として,サービスVM(仮想マシン)モデル,Hypervisorモデル,パススルー・モデルの3つが挙げられる(図2)。 サービスVMモデルでは,I/Oアク
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