さて心機一転、前回の記事の言い訳です。 問題点は色々とあるのですが、一番の問題はエロゲの「主人公」をめぐるモデルを上手く作品と馴染ませることが出来なったことにあるのかなと思います。 細部を切り捨ててADVにおける「主人公」のモデルを考えたときに、思考の中心になるのは、「主人公」が孕む二重性であると言うことが出来ます。 つまり、「主人公」とは、ADVというスタイルに最もコミットメントとした存在、いわゆる視点キャラクターのことを指す言葉である同時に、その作品内の物語における中心人物を指す言葉でもあります。 別の言い方をするなら、前者はプレイヤーが存在する「外」との関わりを意味し、後者は「内」における配置、他のキャラクターとの間にはりめぐらされた関係性のネットワーク*1を意味しています。 もちろん、この二重性は「主人公」を抱えるゲーム一般に生じえるものではありますが、エロゲの物語性への過剰な傾斜