今年の3月から連載を再開した『バガボンド』。早くも人気再熱といったところですが、体調不良からはじまった休載は、2010年12月から12年3月までと、約500日にもなりました。その間、井上雄彦氏は何を考え、どうしていたのか......。その全容をまとめたのが書籍『空白』です。 バガボンドを手がける井上氏の意識のなかに常にあるのが、「終わりどき」。この終わりどきこそが、井上氏を悩ませ苦しめているのです。終わるタイミングはもちろんのこと、「自分をどう高めることができるか」といった点でも苦しんでいるようです。 その原因は、『スラムダンク』。同作品のラストで、うまく自分をピークまでにもっていくことができ、アドレナリンが出続けた状態でかき上げることができました。スラムダンクのラストは、井上氏にとって「こんな良い終わりはないな」と思えるほど、納得のいくものでした。よって、バガボンド製作中も、あの時のよう