月に水が存在するかどうかを確認する米航空宇宙局(NASA)の無人探査機が9日午後8時半過ぎ、月の南極付近に高速で激突した。激突の衝撃で舞い上がったちりを観測することで、水の有無を確認できる可能性がある。これまでの月探査機の観測で、水のもとになる分子の存在は確認されていたが、水そのものは観測されていなかった。 激突したのは、ほとんど太陽光があたらないため、氷が多く存在する可能性が高い直径約100キロのクレーター「カベウス」。NASAが今年6月に打ち上げた探査機「エルクロス」のうち、最初にロケット部分が秒速2.5キロで月面に激突、その様子を観測していた本体部も続いて激突した。 米国などは将来、月面基地を建設する計画を持っており、生命維持やエネルギー源確保に役立つ水の存在は計画実施の必須条件といえる。渡部潤一・国立天文台准教授(惑星科学)は「もし水蒸気が検出されれば、かなりの量の水が月にある可能