僕はどちらでもいいと思っていたので、デザインがカッコイイほうのベータを指差したら「お客さん、ちょっと待ってくださいよ」と、オヤジは店の奥に行って一本のビデオソフトを持ってきた。 「VHSを買われた方にはコレが付くんですがね」 そう言ってニヤニヤしてた。ソフトだってべらぼうに高い時代。手渡されたパッケージをシゲシゲ見ると『白日夢 愛染恭子の本番生撮り〈淫欲のうずき〉』と書かれてあって、悶絶の表情をした写真が載っていた。僕は「ほーう」とか言いながらパッケージを裏返すと、そこにはトップレスの愛染さんの写真。“ねぇ、VHSにしなさいよォ~♥”と、囁いてきた(気がした)。 「コレ、ベータには?」 「付きませんねぇ」 「VHSにするとー」 「付いてきますよ」 その瞬間、僕の目的はコレを見たさにビデオデッキを買うこととなった。 「配送もできますけど」と、オヤジは言ったが、早くコレを見たいがために重い機械
――今日はお時間いただきありがとうございます。 九条林檎(以下、林檎) ごきげんよう、我に何か聞きたいことがあるとか? ――VTuberの急な活動休止が続くのが気になっていて、その理由とも言われる「喰われる」現象について教えてください。 林檎 「喰われる」は我が発明した言葉というわけではなくてな。5年もVTuberとして活動する中で、周りで体調を崩して活動を続けられなくなってしまう方をそれなりに見てきたのだが、そういう時に「あの子、喰われちゃったみたい」というような形で我の周りで使われていた言葉なのだ。 ――「喰われ」てしまうと、具体的にはどんな症状が現れるのでしょう。 林檎 周りからみてこれと分かるものは多くないが、一目でわかるほどに元気がない、というのもわかりやすい兆候の1つだな。VTuberの世界は声優業界とも隣接しているので、しっかりと挨拶をする人が多い。その中に「おはようございま
2003年『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀作に選ばれデビュー。09年『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞を受賞。16年、『コンビニ人間』で第155回芥川賞を受賞し、ベストセラーに。主な作品に『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』など。 思い入れが強すぎて冷静に書けないと思っていた ――まずは『コンビニ人間』(2016年文藝春秋刊)の芥川賞受賞おめでとうございます。主人公は長年にわたりコンビニエンスストアでのアルバイトをしている古倉恵子。本人はその生活に満足しているのに周囲から「30代後半で未婚・アルバイト」という点を心配されて居心地の悪さを感じています。村田さんご自身も長年コンビニでアルバイトしている点も注目されていますが、まずは受賞の実感を。
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