福島県南会津郡只見町の山奥に、不要な本を持っていくと定価の10%で評価された後、現金ではなく、なんと山林と交換してくれるという田舎ならではのサービスを行う“たもかぶ本の街”がある。本好きの間ではちょっとした人気スポットである巨大古書店街の全貌を探るため、たもかぶ本の街・代表の吉津耕一さんに話を聞いた。 「都会の人に森に来て遊んでもらう目的で林業の会社を立ち上げたのが始まりです。バブル崩壊後、訪れる人も少なくなり、『遠くても来てもらう魅力は何か』と考えたところ、“本”が浮かんだんです。都会の人は本を弄ばしてるんじゃないかと思ったんですね。だから田舎にあり余っている土地と、都会でいらなくなった本を交換して、現代版『海幸・山幸』みたいなことができないかなと思ったのがきっかけなんです」 たもかぶ本の街は、ジャンル別に6つの倉庫(とにかく広い!)があって、文芸書や学術書、コミックなど大量の本がひしめ