ドイツ・ベルリンの住宅街。庭に囲まれた美しい家に、80歳になったダニエル・バレンボイムは暮らしている。偉大な指揮者でありピアニストである彼は、世界でもっとも名高い楽団を指揮し、もっとも美しい交響曲、協奏曲を演奏してきた。 アルゼンチンに生まれ、イスラエルに移住。複数のパスポートを持つ。スペインだけでなく、イスラエルとパレスチナ……彼はこの2つの国民の和解に向けて、懸命に働きかけもしてきた。 「もしも〜だったら、いまの自分はない」を主題に、仏紙「ル・モンド」が、音楽と平和に捧げられたバレンボイムの人生における決定的瞬間を聞く。 「もしも〜だったら……」 もしも私がピアノ教師の両親のもとに生まれた一人息子でなかったら、いまの私はないでしょう。 私は1942年11月にアルゼンチンで生まれました。当時は第二次世界大戦の真っ只中で、世界中がナチスに脅かされていました。私の家族はユダヤ人で、両親ともに
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