川崎市は7日、国民健康保険(国保)の保険証を送るはずだった市内497世帯561人に対し、現行の健康保険証がマイナ保険証に原則一本化されることに伴い発行される「資格確認書」を誤って送付した、と発表した。資格確認書は12月2日の一本化まで使えないため、市は返送を呼びかけている。
「無添加にこだわった『ミヨシ石鹸(せっけん)』の洗濯用粉せっけんが販売中止になります。なぜ?」。東京新聞「ニュースあなた発」に、埼玉県三芳町のフリーランス白田真希さん(56)から質問が寄せられた。粉の洗剤って数えるぐらいしか使ったことがないなと思い、調べてみると、ここ20年で起きた洗剤市場の変化が見えた。(鈴木里奈)
政府は今月9日に閣議決定したデジタル施策の「重点計画」で、母子健康手帳(母子手帳)とマイナンバーカードの一体化を目指す方針を示した。一体化に対し、子育て中の親や医療関係者らから不安の声が上がっている。相次ぐマイナカードのトラブルで情報流出への懸念が高まっている上、親と子双方の情報を一覧できる紙の手帳の良さが損なわれる可能性があるためだ。(嶋村光希子)
東京都世田谷区は二十二日、二〇二三年度のふるさと納税制度に伴う区税の流出が前年度比十億円増で、過去最大の九十七億円に達したと発表した。二二年度から対策として返礼品を拡充して寄付を呼び込んだが、その効果も吹き消す損失で、保坂展人区長は「大変ショック。このままなら百億円、百五十億円と進む。耐えられない」と国による制度の見直しが必要と訴えた。 流出額は昨年、区民が制度を利用して他自治体に寄付したことに伴う本年度の区税控除額の総計。一三年度は六千万円だったが、年々、特産品など豪華な返礼品をそろえる自治体への寄付が増え、流出額が膨張。十一年間の流出は累計四百五十八億円に上った。 区は長年、返礼品を福祉作業所で作ったお菓子など社会的意義のあるものに限っていたが、昨年度から区内の名店の商品やクーポン券などをそろえ「返礼品競争」に加わった。果たして二二年度は前年度の倍の二億八千万円の寄付が集まったが、流出
東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1号機原子炉圧力容器を支える土台が損傷していた問題を巡り、東電の対応が後手に回っている。土台が崩壊し、核燃料が残る圧力容器が落下すれば、高濃度の放射性物質が新たに放出される恐れがある。東電は容器落下の可能性は低いとして、緊急時の対処をどうするか具体的に示していない。原子力規制委員会も苦言を呈するが、東電の危機意識は薄い。(小野沢健太) 1号機の土台損傷 土台は鉄筋コンクリートの円筒形で、厚さ1.2メートル、内側の直径は5メートル。核燃料が入っていた重さ440トンの圧力容器を支えている。昨年2月〜今年3月に実施した水中ロボット調査で、土台開口部のほか、内周の壁面が床から高さ1メートルにわたって全周でコンクリートがなくなり、鉄筋が露出していたことが判明。事故時の溶融燃料の熱で崩壊した可能性がある。土台外周の床付近は堆積物が積もって確認できず、損傷の
7月に行われた安倍晋三元首相の葬儀に陸上自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊が参列したのは、戦後の首相経験者の家族葬では初めてだった。防衛省が本紙の取材に明らかにした。防衛省・自衛隊の弔意表明の一環として、安倍氏の遺族の意向を確認し、防衛相の指示で行ったと説明している。当時の防衛相は安倍氏の実弟の岸信夫氏だった。 政府がかかわった首相経験者の公的な葬儀は、1967年の吉田茂氏の国葬以降、2020年の中曽根康弘氏の内閣・自民党合同葬まで11回ある。すべて儀仗隊が参列した。安倍氏の家族葬のように、政府が関与しない首相経験者の私的な葬儀は個別に行われてきたが、儀仗隊参列は「確認できる範囲において、安倍氏以外はない」(同省陸上幕僚監部)という。 一方、防衛省の前身の防衛庁長官経験者を対象にした家族葬への参列は3例あったという。同省は「元防衛庁長官等の家族葬で、遺族の意向を踏まえ儀仗を実施した」と説明し
東京の投票率は全国3位56.55% 無党派多い都市部で異例の高さ 物価高に苦しむ有権者、与党対策に異議<参院選2022> 参院選(10日投開票)の東京選挙区の投票率は56.55%で全国3位だった。1000万人以上の有権者を抱え、無党派層が多い都市部としては異例の高順位。大消費地・東京では、物価高が有権者の選挙への関心を高め、投票率を押し上げたとみられる。改選6議席を与野党が3議席ずつ分け合ったが、得票を詳しく分析すると、政権の物価高対策に対する有権者の意識が浮かび上がってくる。(村上一樹、我那覇圭)
AV出演強要は「問題ある契約」のみ全年齢で取り消し可能 18、19歳の取り消し権は断念 支援団体は「被害救済できない」 成人年齢引き下げに伴う18、19歳の若者を狙ったアダルトビデオ(AV)出演強要問題に関し、自民、公明の与党は13日、プロジェクトチーム(PT)を発足させ、全年齢を対象に「問題のある契約はいつでも取り消し可能にする」との新法創設を目指す方針を固めた。保護者の同意がなければ、契約を解除できる「未成年者取消権」と同等の措置を18、19歳に適用することを検討していたが、法的に難しいと判断した。(佐藤裕介) 未成年者取消権なら、保護者の同意がないというだけで契約を解除できたが、与党が検討する内容の法律だと、被害者側が「問題のある契約」だったと立証する必要性に迫られる可能性もある。支援団体から批判の声が上がっている。 PTは立法措置の基本的な考え方として「18、19歳に限らず、全ての
明治神宮外苑地区(東京)の再開発に伴い、約1000本の樹木が伐採される可能性があることが分かった。再開発計画は9日、東京都都市計画審議会に諮られ、承認されると事業は本格化する。文化遺産保護の提言などを行う「日本イコモス国内委員会」は7日、東京都へ見直しを提言した。(森本智之) 日本イコモスのメンバーで、都市計画が専門の石川幹子・中央大研究開発機構教授が、昨年12月に公表された都市計画案などを基に、現地を歩いて1本ずつ確認する毎木(まいぼく)調査で突き止めた。東京都も取材に、伐採の計画を認めた。 再開発は三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事が担う。神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えに加えて、商業施設やオフィスの入る高さが185メートルと190メートルの2つの複合ビルなど複数の高層建築が計画されている。 神宮外苑は国民からの寄付により1926(大正15)年に完成した日本
新型コロナウイルスに感染した自宅療養者のうち、重症化リスクの低い六〜四十九歳への食料配達を一月下旬から中止したことを巡り、神奈川県は三日の県議会厚生常任委員会で、「物資の買い出しのための最小限の外出はやむを得ない」との見解を示した。県は自宅療養者らに外出自粛を求めているが、例外を容認した。 県は自宅療養者に八日分の食料と日用品を送るが、感染拡大に伴って配達できる数に限界があるとして、配達対象を絞り込んだ。異論が相次ぎ、生活困窮者らには対象外でも配達できるよう再検討している。それでも配達対象外の自宅療養者がいるため、対応の改善を求めた常任委の委員に対し、山田健司・健康医療局長は「食料備蓄がない人もいる。外出するのは致し方ない」と理解を求めた。 また、自主療養を巡り、申請に使う抗原検査キットが薬局で入手しづらい現況を踏まえ、篠原仙一(のりかず)・医療危機対策本部室長は「例外的な対応だが、(イン
共産党の山添拓参院議員が鉄道営業法違反などの疑いで書類送検された。本人のツイッターによると、私設のいわゆる「勝手踏切」を渡ったということ。危険で国会議員なら慎むべき行為だ。しかし、勝手踏切は全国に1万7000カ所あり、日常的に人が渡る。そんな行為が警察沙汰になり、「共産党だから狙われた」「もっと処罰すべき人がいる」という声が出ている。人々が抱いた疑念に、警察のトップはどう答えるか。(荒井六貴、木原育子) 東京・JR新橋駅から高崎線で埼玉県の熊谷駅に向かい、秩父鉄道を乗り継ぎ、2時間余り。長瀞町の樋口駅に着いた。単線の線路と並行し、北側に国道140号が通る。南側は木々に覆われ、遠くに山々が連なる。列車はあまり通らず、秋の虫の声が響く。秋晴れだった21日。思わずハイキングをしたくなった。
最低賃金(最賃)に近い低賃金で働く人の割合が最近10年ほどで倍増していることが、賃金に詳しい都留文科大の後藤道夫名誉教授の試算で分かった。最賃の全国平均の1.1倍以下で働く人の割合は2020年に14.2%となり、09年の7.5%から急伸した。非正規労働者や低賃金の正社員が増えたのが要因の1つで、コロナ禍が脆弱な雇用構造に追い打ちを掛けている。(山田晃史) 最低賃金 パートやアルバイトなど非正規労働者を含む全ての働く人に適用される賃金の下限額。都道府県ごとに時給で示され、下回った企業は罰金が科される。改定は毎年度あり、国の審議会が夏に引き上げ目安を示した後、都道府県の審議会が生活費の必要額や企業の支払い能力を考慮し決める。適用は10月ごろ。東京が1041円で最も高く、沖縄など最も低い県と221円の差がある。
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