先日、博多駅のホームを歩いていて、こんなことがあったのです。 僕の少し先を歩く中年女性が荷物の上に載せていた折り畳み傘が、ゴロン、とホームの床に転げ落ちていきました。 けっこう大きな音がしたのだけれど、大勢の人が改札に向かっている慌ただしい終電間近の時間帯。 その女性は急いでいるらしく、全く気づく様子もなく、ずんずん先に進んでいきます。 僕は荷物で両手が塞がっており、どうしよう、と迷いつつも、足はどんどん前に進んでいきました。 後ろから声をかけるというのも、なんとなく気が引けるし、けっこう急いでいるみたいだし、まあ、そんなに高い傘じゃなさそうだし……正直、そういう小さな親切のために、他人に声をかけるめんどくささもあったんですよね。 僕も、知らない人にいきなり声をかけられるのって、あんまり気持ちの良いものじゃないし……まあとにかく、いろんな言い訳を矢継ぎ早に思いついて、スルーしようとしていま