■比較的楽観的だったIT業界でさえ 今の日本は色々な意味で、『ギリギリの状況』にあることはやはり間違いない。遠からず、従来以上にドラスティックな変化が(良し悪しは別として)次々に表面化してくるのは間違いない。それなのに、指針というか、進むべき方向は益々不透明になってきている。この身悶えするような方向喪失感が今の日本の時代の空気であることは、私ならずとも昨今は誰もが感じていると思う。 しかもそれは昨日今日始まったものではない。いわゆる失われた20年の間、そして今に至るまで基本的にはずっと続いてきたセンチメントといえそうだ。だが、その中でこれまで例外的に比較的明るかった領域がある。『IT業界』とその周辺だ。そこに比較的楽観的な空気が流れていたのは、切り札としてインターネットへの信頼があり、このインターネットの持つ潜在力を自分たちの手で最大限顕在化させることで、ビジネスだけではなく、様々な社会問