ヒラリー・クリントンの劣勢には、雪斎は二つの点を指摘しておく。 ① 大規模「州」優先という戦略の危うさ : 「孫子」にも書かれているように、「勝ちやすいところから確実に勝ちにいく」というのは、兵法の鉄則である。中小規模「州」の票は、「木っ端」みたいなものであるけれども、大規模「州」の票という「大木」を取るのは、確実性の点からは疑問が残る。ヒラリー陣営は、なぜ、「大穴」狙いのような選挙戦略を立てたのであろうか。 : 逆にいえば、オバマ陣営は、中小規模「州」であっても、「勝ち」を続けることによって、「勢い」を作っていったといえるであろう。オバマが宮本武蔵のの話を聞いたことがあるかは知らないけれども、「確実に勝っていく」戦略が功を奏しているのは間違いない。 : 大概の人間は、「勝ち馬」に乗る。具体的な利害がかかっている場合は、特にそうである。 ② 自分が「神輿」であることに対する認識の薄さ :