現在、日本で稼働している原発は1基もない。 そのため、稼働中に海に放出され続けてきた原発から出る温排水が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという声が各地から挙がっている。 ◆鹿児島川内原発の場合…… 鹿児島県にある川内原発の近くで海岸の清掃ボランティアやウミガメ監視員を務める中野行男さんは、10年ほど前から月に20日以上、川内原発の南海岸を歩き続けてきた。 「これまで、季節によっては毎日のようにサメやエイ、ダツなどの大型魚類や、クジラ、イルカなどの海生哺乳類、ウミガメなどの死体が海岸に漂着していました。原発ができる前は、こんなことは全然ありませんでした」(中野さん) サメの死体が1日で4体もうち上げられたこともあったそうだ。 「それが、川内原発が停止した’11年9月以降、これらの死体漂着は一切なくなったのです」 また、この近辺ではウミガメの異常行動がよく確認されていた。