先日、こちらのasin:4122018900を偶然入手しまして、ちょっと読んだだけでも面白かったので、大乗涅槃経についてのレポートにとりかかるはずが、ついついひき込まれてしまう(笑)。仏典の中の説話が、例えば中世日本文学に出てきても別に驚きはしませんが、中世ヨーロッパ文学・写本の中に出てくるとなると、かなり意外な感じがします。この本では、ブッダ伝が中央アジアのマニ教へ伝えられ、古ペルシア語、シリア語、そしてギリシア語へ翻訳されていき、中世ヨーロッパのラテン文学では、キリスト教の聖者の伝記に変身して広まったということが述べられてます。そのカトリック聖者の伝記というのは、『聖バルラームと聖ジョザファ伝』というもので、13世紀には、あの『黄金伝説』にも収録されたそうです。『聖バルラームと聖ジョザファ伝』は各種写本が残り、また、グーテンベルクの印刷術が発明されたすぐ後のインキュナブラとしても現存し
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