来春で導入から30年となる「外国人技能実習制度」を巡り、実習生の半数以上を占める最大の派遣国ベトナムで、新たな実習希望者が減っている。今年7月以降、実習1年目の在留資格で入国するベトナム人が、新型コロナウイルス流行前の2019年の同期間と比べ6割に減少していることが判明。過酷な労働環境に加え、急激な円安や自国の経済発展も背景にあるとみられ、関係者は「日本離れ」を指摘している。(斎藤雄介、篠塚辰徳) 外国人技能実習制度 途上国への技術移転、人材育成を目的とする外国人研修制度を補う形で1993年に始まった。実習期間は段階的に延長され、現行は最長5年。在留資格は実習1年目の「技能実習1号」、2・3年目の「2号」、4・5年目の「3号」がある。出身国別(2022年6月末時点)でベトナム(56%)、インドネシア(12%)、中国(11%)の順に多い。受け入れ事業者は建設業、製造業、農業など約6万7000