宮城県仙台市・秋保温泉に、その小さなスーパーはある。たった80坪ながら、年商6億円を売り上げ、連日開店前から行列ができる店である。 その行列客の目的は、「おはぎ」と「惣菜」である。おはぎは、1日平均5千個、土日祝日は1万個、彼岸には2万個売れるという、おばけ商材なのである。惣菜は300種を用意し、おはぎとともに瞬く間に売れてしまう。おはぎと惣菜を合わせて、スーパー全体の売り上げの50%を占めるというから、驚く他ない。 この店は、スーパー業界で知らない者がいないほどの有名店である。スーパー・コンビニからの視察も多く、研修も無料で引き受けている。さまざまなメディアが取り上げ、繁盛の秘密は明らかになっている。 もっとも注目すべきは、おはぎと惣菜のすべてが手づくりであること。社長夫人である専務を中心に、おばちゃんたちが一から手づくりしている。 驚くべきは、レシピもマニュアルもないこと。口伝えで教え