友人の麗君は、数年前から日本へ行くたびに、 ユニクロなどで大量にお土産を買ってくるようになりました。 彼女はよくこう言います。 「日本は安くてモノがいいからね」 たしか、ドル円90円以下のときからずっとそう言っています。 120円になってからは、 「買わないと損だねえ」 と言い始めました。 終いには中国の不動産を現金化するとき、 日本円にしておくようになっています。 円が安いときに円にして保有しておくことは、 ようは円が安いときに仕込んでおくという投資です。 ここで「投資」という言葉を使いましたが、 ぼくからみるとそうであって、 中国人の実感に近い言葉で表現すると、 「機会を逃すと損してしまう!」 というほうが情緒的に合ってる気がします。 中国人は他人が有利な行動をするのを見過ごすことができないので、 やれば得というよりも、やらないことで生じる機会コストが気になるようです。 それは車の運転
コロッケやメンチカツを日替り定食で出すと評判がいい。 以前はグランドメニューにあったんだけど、 そのときは不思議とあまり出なかった。 同じように、 グランドメニューから外して日替りにしたら人気化するものに、 ロールキャベツ、カレー、オムライスなどがある。 未だに理由はわからない。 けれどそういうことがある、というのがわかった。 ところで、 うちで出すコロッケはハンバーグと同じく「俵型」にしている。 手作りにこだわる。というメッセージのため、そうする。 どういうことかというと、 薄く成形すれば、冷凍解凍を前提としているとかんがえていい。 保存しやすく火を入れるのが簡単にすむため、提供時間も短縮できる。 オペレーションではこちらがラク。 俵型は、冷凍を前提にしない。 うちではその日に仕込んでその日に売り切り。 だいたい夕方にソールドアウトするので、そこからまた別の日替りにする。 うちの日替りは
お仲間の跡部さんが4年ぶりにマニラにやってきた。 行動できるのは二日。 フィリピンらしさを伝えるにはどうしたらいいかと考えると、 やっぱりモールになってしまう。 前回よりモールの数は相当増えた。 週末ともなれば身動きもとれないほどの活況。 モールを見ればフィリピン人の元気さも伝わる。 ただ、ぼくはいつも「モールを見ればほぼ伝わるフィリピン」に、 強さと軽さを感じてしまうのであります。 軽い。でも経済が成長してゆく。 これは近年の新興国にまんべんなく感じるぼくのキーワードであります。 軽いという言い方が失礼ならば、 必死さがないとでも言いますか、とにかく過去の先進国が辿ってきた道とちがう。 今の新興国はふしぎな享楽さを醸し出すのはなぜでしょう? それは、資本主義の成長空間が “勝手に与えられた” からかもしれません。 努力とさほど相関せずに成長してゆくかんじです。 資本主義が成長するためには
40を過ぎたあたりから、もう霜降り肉は好んで食べなくなった。 ステーキなら断然赤身がいい。 米国文化のフィリピンではアンガスビーフが上等とされてるため、 ぼくにとってはうれしい。 近年はWAGYU(和牛)も人気がでてきたけれど、 肉ならお腹いっぱい食べないと気が済まないフィリピン人や欧米人にとって、 まだ高根の花というかんじにみえる。 さて、肉を焼くだけの調理法であるステーキは、 イギリス人にとっては母国が誇る料理のひとつで、 ひとつというからには他にもあるのかと聞くと、 「ローストビーフもあるぞ!」というジョークがある。 これにアメリカ人が加わって、 「勝った!我が国にはさらにバーベキューもある!」 という、単に肉に火を通す調理法に誇りを持つアングロサクソンなひとたちを、 どこの国が莫迦にしたのか知らないが、納得できてしまう笑い話であります。 けれど、単純な調理法だからと莫迦にされるのは
さて。 今日はエアコンの修理が本当に来るのか判らない。 外は真夏日だけど店内のほうがさらに酷い。 お客様には申し訳ないですが、うだるような店内でこれを書いております。 そういえば反対に寒さに耐えたこともあった。 数年前西安で引渡し間もないある物件で寝泊りしてたときは、 完成物件にもかかわらず暖房もガスも通じず、 真冬に冷水で頭を洗いながらしばらく生活をした。 でもまあ不便さはわるいことばかりではない。 不便であることは、成長があるということでもある。 世銀の発表によると中国の2015年の成長率は7.1%。 まだ不便なことがあるおかげで今年も7.1%も成長してくれる。 国の成長が年7.1%あるのなら、 一般にその国への投資で年7.1%以上は儲かる。 じっさい投資をして年の資産成長が7.1%ということはない。 過去の経験でいえば、経済成長7%ほどの国なら年20%は獲れるとおもう。 もし経済成長
フィリピンは財閥が支配する身分社会だ。 財閥の始祖はかつての宗主国スペイン系や中国系などで、 支配層はじぶんたちをフィリピン人とおもっていない。 最近ではニューリッチですら、じぶんをフィリピン人と意識しないのではないか。 では誰がフィリピン人かというと、被支配層の、ぼくらが「ローカル」と呼ぶ層で、 彼らはすでに立身出世という方法論をこれっぽっちも思いつかないひとたちだ。 2週間ごとに“与えられる”給料で、幸福に生活する。 フィリピン人の幸福の総量は、はるかに日本より高い。 彼ら被支配層はなぜ幸福なのか? 最大の理由は「競争」しなくていいことだ。 競争するためには我慢や苦労がある。 勝つためには自己を成長させなければいけない。 これらのプロセスはローカルのもっとも嫌いなことで、 現状の階層にいることでその作業から逃れられる。 競争しないから下層になったというより、下層にいれば競争しなくてもい
さいきん、店のシフトに関わってなかったので知らなかったけど、 あるスタッフが1人いつのまにか来なくなっていた。 これを現地用語で「フェードアウト」という。 フィリピン人が神隠しにあうこと以外にも、 依頼したことにリアクションがない場合にも使う。 なぜフェードアウトがおきるのか? 友人のO氏と徹夜でミーティングしたこともあるが、 結論は、それがフェードアウトではないのだろう、ということに落ち着いた。 それは正常行為なのだ。 だからフィリピン人に対して逆にぼくらがフェードアウトしても問題にならない。 それ以来、フィリピン人に対してのみ、ぼくらはこの武器を使用するときがある。 まったく波風が立たない。 さて、3月4月はフィリピン人のフェードアウトが多くなる。 傾向として、イベントが重なるシーズンには群発する。 妊娠したスタッフが「体調がすぐれない」と言って休み、その連絡が途絶えた。 面接スケジュ
ヨガを再開してから頭痛が減った。 とはいってもぼくは移動のたびに諸処の変化で頭痛になる。 けれど、もう40年ちかく頭痛とはおつきあいしてるので、 例えれば花粉症のようなもんでして、 薬をどのタイミングで飲めばいいか判ってるし、 朝起きて1日の予定を決める生活リズムのうちは問題ない。 温度差のある土地へ移動したときは最初の二日ほど不安定だけども、 まあ「じぶんの癖」とおもって、日常的に対処する。 織田信長も曹操も片頭痛持ちだったからね、とマナミに言う。 ところで移動の話だけども、 人は5つの土地を行き来すべきだと言われる。 1.生まれた土地。 2.パスポートを持つ土地。 3.仕事をする土地。 4.資産を持つ土地。 5.遊ぶ土地。 以前はこれらがひとつの国であったが、 21世紀は自分でポートフォリオを組まなければサバイブしにくいことになった。 しかもこれはじぶんの知恵を使わないと最適化をしにく
昔も、今も、海外へ初めて出かける日本人がまず驚くのが、 タクシーやバスなどの乗り物と相場が決まってます。 空港から宿泊地へ。ところが簡単には着かない。 途上国ではとくに、生活に近接した分野ほど、待ち構えているのは、 ことごとく曖昧な習熟度で業務をおこなう人たちであります。 ところが、これはむしろ世界標準なのであって、 世界ではタクシーやバスの運転手に知的素養を求めないし、 レストランの配膳係にホテル並みのサービスレベルを求めない。 なぜなのか? それを求めると労働市場がおかしくなってしまうからでしょう。 いつでも、だれでも、すぐに社会参加できる職のレベルを上げてしまうと、 労働市場のセーフティーネットの機能が収縮します。 一般的に低賃金と言われる市場であっても、 労働の質と消費者の要求するレベルが合えば、 しっかり機能することを海外では実感するのです。 労働市場の多様性とは、横幅よりも縦幅
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く