野草エキスを抽出し、歯周病菌を減らす洗口液を開発した竹内洋子さん(左)と長女の園絵さん=神戸市長田区、西畑志朗撮影 毛はえ薬を作ろうと薬草酒を作る感覚で身近な植物を酒や油に漬けた実験が、ひょんな形で実った。うどん屋のおかみが開発した歯周病菌を減らす洗口液が、2年間で約5万本を売るヒット商品になっている。(阿久沢悦子) 開発したのは、神戸市長田区でうどん屋「寿」を経営する竹内洋子さん(54)。 きっかけは、15年前の阪神大震災。義母が自宅の下敷きになって亡くなり、ショックを受けた義父を元気づけるにはどうしたらいいかと考え、「お父さんは頭が薄いから、育毛剤ができたら喜ぶんちゃう」と研究を始めた。 しかし、化学や薬学の知識は全くない。長い毛が生えているネコヤナギ、トウモロコシなどの植物を選び、ホホバ油やオリーブ油に漬けた。約500種類あるビンには「雑草」のラベルも。「名前なんかわかれへん