EC市場の拡大が止まらない。筆者らの推計によると、2006年のEC(Electronic Commerce)市場は約3兆8,000億円であった。この市場は今後も拡大を続け、2010年には6兆円に達すると予測している(図1)。 薄型TV市場規模が約1兆円、自動車の市場規模(消費者向け販売)が約6兆円、携帯電話市場(通信事業収入)が約7兆円である。このように見ると、EC市場は規模的には他の主要産業と肩を並べるほどの大きさである。では、2010年以降のEC市場は拡大を止め、成熟市場となるのであろうか。 結論からいうと、EC市場はさらなるポテンシャル持っており、2010年以降も拡大する。ECとはつまり、Webサイトを活用した「消費」である。極論をいうならば、消費すべてがWeb化することも考えられる。日本の消費経済は約180兆円といわれている。つまり2006年時点で消費のEC化率はわずかに2%で、6