ECLS(PCPS,ECMO)中の鎮痛、鎮静、神経筋遮断薬、体温調整 後編 つづきです。 神経筋遮断薬 ICUにおいて神経筋遮断薬を使用する大きな理由は、呼吸不全のために人工呼吸器が同調しないということである。しかしながら神経筋遮断薬の使用に関連した合併症のため、最近20年間でその使用は減少している。神経筋遮断薬を使用する場合には、必然的に適切な鎮静も必要となる。ECLSの状況ではカニューレ挿入時に神経筋遮断薬がよく使用されるが、一旦ECLSが開始されれば通常はその後不要である。 ICUで必要な場合には、非脱分極性の筋遮断薬が使用される。これらの薬は作用を活性化するのではなく、競合してアセチルコリン受容体を阻害する。サクシニルコリンが唯一の脱分極性の筋遮断薬である。気管挿管を容易にするために使用されるが、ICUにおいて持続点滴として使用されることはない。 1. 薬剤 a. パンクロニウム