CQ5.抗菌薬治療CQ5-1.抗菌薬を1時間以内に開始すべきか? A.敗血症,敗血症性ショックに対して,有効な抗菌薬を1時間以内に開始する(EC). RCTはなく,エキスパートコンセンサスであるが,推奨文を作成するときはかなり悩んだ項目ではある.これまで,SSCGでも日本版でも敗血症診断から1時間以内の抗菌薬投与は強く推奨されてきた経緯がある.ただし,RCTで評価されたことは一度もなく,観察研究のみである.複数の観察研究では,早期に投与することで死亡率が改善すると報告されているが,メタ解析(Crit Care Med 2015; 43: 1907-15)では死亡率に有意差はみられていない.観察研究であれば,背景因子を調整しているとはいえ,当然ながら「抗菌薬投与の遅れ=その他循環動態管理などの遅れ」ともとらえることができ,本当に抗菌薬を1時間以内に投与しなければいけないのか?という疑問は常日
11月29 米スタチン使用GLを8年ぶりに改訂 米スタチン使用GLを8年ぶりに改訂 CVD初発予防 40~75歳のリスク群には低~中用量を https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1124505722/?utm_source=mail&utm_medium=recent161125&utm_campaign=mailmag&mi=00128000005w5hSAAQ&fl=1 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は「成人における心血管疾患(CVD)初発予防のためのスタチン使用」ガイドライン(GL)を8年ぶりに改訂した。同GL改訂の根拠としたエビデンスレポートとともにJAMA(2016; 316: 1997-2007、2008-2024)で公開した。40~75歳の高リスク群に低~中用量のスタチンを投与することなどを推奨している。 全アウトカムでリスク
日本は患者さんがいつまでも(ほとんど根拠のない)病院ランキングに頼らなくても良いように、客観的な指標を用いて情報を提供するべきだと思います。その一つのカギになるのが、「クオリティ・インディケーター(QI)」です。 医療の最大の目的は、患者さんの健康状態を最大化させることです。そして、「医療の質」を高めることができれば、患者さんは期待されているような健康上のアウトカムが得られる確率が上がると考えられます。医療の質をきちんと評価し、それを高めるためには、まずは医療の質をきちんと妥当性と信頼性の高い形で測定する必要があります。 医療の質を評価する方法にはいくつかあります。そのうち、医療の質を、数値化して(定量的評価)、医療の質改善のためのツールにしたものが、QIになります。もちろん、数字に落とし込まずに医療の質を評価する方法もあり、それは定性的評価と呼ばれますが、どうしても主観的な評価になりがち
日本の新聞記事などを読んでいるとここ1~2年で急に医療費の問題を取り上げたものが増えており、日本人の医療費に対する危機感はどんどん強くなっている印象を受けます。実は、医療費の問題は常に「医療の質」とセットで議論するべき問題であるのですが、日本ではしばしばそのような視点が抜け落ちていると思います。 医療費抑制だけが目的なのであれば、診療報酬制度をひたすら引き下げていけばどこかで必ず達成できます。しかし、その結果として病院の経営が成り立たなくなり潰れ、残された病院には待っている人の長い列ができ、救急車のたらい回しが起こることでしょう。病院の設備はボロボロになり、検査器具や治療に用いられる器具の整備も不十分になり、患者が受けることのできる医療の質が下がってしまう可能性があります。国の財政が厳しい時に医療費を抑制したいと考えるのは自然な流れです。しかし、医療費抑制をやみくもに進めていけば、全ての人
学問の分野に関わらず研究をするにあたっては「回帰分析」を避けて通ることはできません。普段から研究やデータ分析に馴染みにある人たちには、このブログでそんな基本的なことを解説するの?と思われる人もいるかもしれません。しかし、このブログは通読すれば知識がゼロの状態からでもデータを解析して読み解くのに必要なスキルセットが一通り身につくようになることをゴールにしているので、そのためには回帰分析をおろそかにするわけにはいきません。逆にビジネスをやっている方で、その業界では回帰分析はあまりやられておらず、エクセルのグラフだけで勝負しているようであれば、回帰分析をきちんとできるようになるだけで圧倒的な強みになるはずです。統計解析ソフトできちんと回帰分析して得られたデータが「機関銃」だとすると、エクセルでの解析は「竹やり」みたいなものだからです。いずれにしても数式を理解することよりもコンセプトをきちんと理解
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