映画のデジタル化が急速に進む中で今、日本映画文化は重大な危機に瀕しています。イーストマン・コダック社の破産法適用申請や、富士フイルムの突然の映画用フィルム生産中止宣言は、100年以上の歴史を持つ映画文化の存亡にかかわる世界的大事件です。特に映画の保存方法やシステム等が世界各国より遅れている日本では、それは致命的です。 フィルムによる映画制作は断ち切られ、フィルム映画制作の職能は崩壊し、国民的文化遺産ともいえる膨大な旧作名作の修復、複製、再上映が危機に晒され、死蔵されたままになりかねません。 「紅葉狩」「楠公訣別」「小林富次郎葬儀」のフィルムは、フィルム自体が重要文化財に指定されていますが、映画用フィルム生産中止が実施されれば、フィルム映画文化は死滅してしまいます。 近年、映画の制作現場ではデジタル撮影が急速に進んでいますが、デジタル映像は4K解像度(水平画素数4,000×垂直画素数2,00