ラーメン店従業員に暴行して階段から転落死させたとして、傷害致死罪に問われた長野県茅野市の会社員、張永赫(ちょう・えいかく)被告(40)=中国籍=の裁判員裁判で、東京地裁(鬼沢友直裁判長)は20日、暴行と死亡の因果関係を認めず、暴行罪を適用して罰金15万円(求刑・懲役5年)を言い渡した。判決は「現場の足跡の採取など証拠収集が不十分」と捜査を批判した。 張被告は3月2日午前3時50分ごろ、東京都文京区のラーメン店2階で、男性従業員(当時52歳)の顔を1回殴ったうえ、胸を1回けり、階段から転落させて脳挫傷などで約2週間後に死亡させたとして起訴された。男性は同僚だった張被告の妻を携帯電話で盗撮したとして、被告とトラブルになっていた。 検察側は「被告の暴行は階段転落を招く危険があった」と主張したが、判決は「転落による頭蓋骨(ずがいこつ)骨折などの他に目立った外傷はなく、強い暴行は認められない」と指摘