ひき逃げ行為は故意犯ですから、「人を轢いたことに気づかなかった。」とか「人を引きずっているのに気がつかなかった。」というような故意を否認する言い訳をする場合がけっこうあります。 しかし、本件では(引用するのもおぞましいのですが) 車にはねられた後、発見された現場まで、真っ赤な血の跡が道路上を蛇行しながら3キロにわたって続いていた。 ということのようですので(蛇行の態様によっては違う見解もありえますが)、そんな言い訳は通用しそうにないです。 なぜ、蛇行したのか? 車のどこかに被害者がひっかかっていたのに気がついていたからこそ、それを振り落とそうとして蛇行した、という推認が強く働きます。 そしてそのことは、死因(死亡時期)の認定如何によっては本件は事故ではなく事件、つまり殺人事件と認める根拠になります。 しかも、未必の故意ではなく、確定的故意による極めて凶悪な殺人事件とみなされるでしょう。 同