名著「知識創造企業」(野中郁次郎+竹内弘高、東洋経済新報社、原書:The Knowledge-Creating Company)の序文に次のような主張が述べられています。 この本で我々は、人間の知識を二種類に分けている。一つは「形式知(explicit knowledge)」と呼ばれ、文法にのっとった文章、数学的表現、技術仕様、マニュアル等に見られる形式言語によって表すことができる知識である。この種の知識は、形式化が可能で容易に伝達できる。またそれは、西洋哲学の伝統において主要な知識のあり方であった。しかしあとで論じるように、より重要なのは、形式言語で言い表すことが難しい「暗黙知(tacit knowledge)」と呼ばれる知識なのである。それは人間一人ひとりの体験に根ざす個人的な知識であり、信念、ものの見方、価値システムと言った無形の要素を含んでいる。暗黙知は、人間の集団行動にとって極め