単純化するニュース、視聴率競争のTV番組、過激化する雑誌の見出し……そんな現代のメディア不信を予言した書がある。 それが『華氏451度』(レイ・ブラッドベリ)だ。本の所持が禁じられた架空社会を描いたSF小説で、メディアの弊害・支配層の統治など、そのテーマは現代に重なるものばかり。 「60年以上前に、これが書かれていたことに本当に驚かされる」と語る高橋源一郎氏の重要な指摘を、新刊『支配の構造』より抜粋して紹介する。 大衆は「単純なもの」が大好き 『華氏451度』の中には、さまざまなものがどんどん「単純化」されて、人々の思考力を奪っていくという話が出てきます。 現実においても商業メディアは視聴率や売上を気にするあまり、どうしても「分かりやすさ」を最優先してしまうところがあります。 人々を覆う「メディア漬け」の状況はどのように生まれたのか。 写真術からはじまったメディアは、映画やラジオ、テレビが
分裂SMAPに思う、ビジネスの栄枯盛衰 昨年の大晦日をもって解散したSMAP。熱烈なファンを多数抱えながらも、事務所も絡んだメンバーの対立・分裂騒動はいろんな意味で考えさせられた。 企業の経営に置き換えると、「SMAP」という事業はいまだに市場のニーズも高く、確実な売り上げを確保できる「成熟期」にあった。 にもかかわらず、内紛で事業撤退を余儀なくされたことはジャニーズ事務所にとって大きな痛手であることは間違いない。 一般に、新たに生み出された事業や製品は、導入期・黎明期を経て、成長期・成熟期・飽和期・衰退期をたどることはよく知られている。 だが、すべての製品が同じ道をたどるわけではない。成長期を待たずに消えていく製品もある。 ハイテク産業の製品のライフサイクルモデルにキャズム(深い溝、谷)理論というものがある。製品を出すと最初はオタク系のディープユーザーには売れるが、彼らは自分たちでカスタ
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