クラウドがコンピューティングのあり方をがらりと変えていくのは間違いないが、データマネジメントの大切さは変わらない。膨大なデータの山に埋もれてしまう前に、ぜひ第一歩としてマスターデータを整備しておきたいところだ。 「クラウド」がコンピューティングのあり方をがらりと変えていくだろうことは、ITの業界はもちろんのこと、膨大な既存資産を抱える日本企業の情報システム部門も認め始めている。サービスレベルの維持やデータ資産の安全性に大きな懸念を感じながらも、こうしたITの移り変わりを押しとどめることはできない。オンプレミスからクラウドへの変化はもちろん、情報システム部門はその扱うデータソースが従来のトランザクションからソーシャルネットワークの「インタラクション」へと拡大し、PCを遥かにしのぐ膨大なモバイル端末も相手にしなければならない。 しかし、技術が移り変わる中、変わらないこともある。データマネジメン
ビール大手4社がそろって、情報システムの全面刷新に着手している。各社の情報システム部門は、(1)クラウド導入によるシステム基盤の刷新、(2)業務アプリケーションの整理・統合、(3)世界規模でのIT投資の一元管理――を急ぐ。低迷続きの国内市場への依存度を下げ、グローバルな総合飲料・食品会社に生まれ変わるためには、これら三つの情報システム改革が欠かせないと見ている。今回(本連載の第2回)は(2)の改革に注目する。例えばアサヒは、構造の異なるアプリケーションがグループ内に多数存在する「混沌」とした状態を脱し、重複するデータの整理にも着手。M&A(合併・買収)などダイナミックな経営変化に、俊敏に対応できるシステム基盤づくりを目指している。 【アプリケーション統合】修正スピード速め、変化に即応 グループ各社が利用する多様な業務アプリケーションの構造にメスを入れ、ビジネスのスピードに即応して、機能の追
利用部門には、システム部門が把握していないExcelのファイルやAccessのデータベースがよくあるもの。基本的に新しいバージョンのExcelやAccessで、古いバージョンのファイルを読み込めるので、大きな問題にならないと考えがちだ。しかし「ExcelやAccessの対応を利用部門任せにしてはならない」(大塚商会の板垣氏)という。板垣氏がよく目撃する典型的な失敗例は、以下のようなものだ。 ある企業の利用部門では、帳票作成にExcel 2003を使っていた。この状況をシステム部門は把握していなかった。システム部門はWindows 7へのリプレースを進め、プレインストールするオフィスソフトを、Office 2003からOffice 2010に切り換えた。すると、利用部門でそれまで使っていたExcel 2003のファイルを開いたときに、帳票の表示がずれてしまうという問題が生じた。帳票の表示がず
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