日本オラクルでクラウドやデータベースなどを担当した元副社長の三澤智光氏が7月1日、日本IBMのクラウド事業を統括する取締役専務執行役員に就いた。同社が外部から取締役専務執行役員を招いたのは、現社長のポール与那嶺氏以来のこと。その期待の大きさがわかる。 三澤氏は、7月初旬の就任会見で「日本IBMのクラウド事業の余地は大きい」と語り、IBMユーザーにクラウドを売り込めるチャンスがいくらでもあるとの見解を示した。今回は、日本IBMが三澤氏を招聘した理由を探ってみたい。 まず思いつくのは、クラウド市場開拓の加速だ。米IBMが買収した米ソフトレイヤーのクラウドサービスの販売に、約2年前から取り組んでいるものの、先行するアマゾン ウェブ サービス(AWS)やマイクロソフトなど有力クラウドベンダーに大きく引き離されている。信頼性などの観点から、クラウドの導入に慎重なメインフレームユーザーが少なくないこと