ビジネスで革新的な成果を上げるためには、一般にアイデア(=ひらめき)が重要と考えられている。本書は、アイデアの着想よりそれを実行する「アイデア実現力」こそがイノベーションを生むと主張し、アイデア実現力を高める方法論を解説する。デザインや出版など様々な分野のクリエイターのほか、革新的な製品やサービスで成功した企業での事例が豊富で、あらゆるプロジェクトに適用できる方法論だ。 著者の見解では、多くのクリエイターは100のアイデアを思いついても、現実にはそのうちの一つしか実現できていない。アイデアの実現性を高めて成功している企業が米アップルや米ウォルト・ディズニー、米ザッポス、デザイン事務所の米IDEOなどである。 著者はこれらの事例から、アイデアの実現力を三つの要素に分け各能力を高める手法を提唱する。三つの要素とは、(1)物事をきちんと整理して次々と片づける「整理力」、(2)多様な人材をプロジェ