岡田 英雄 グローバル人材育成アドバイザー テキサス州立大学電子工学科を卒業後、日本IBMに入社。その後、複数の金融パッケージソフトウエア会社の日本進出にかかわる。シスコシステムズにも在籍。数々の海外プロジェクトのマネジメントを経験。現在、日本企業のグローバリゼーションに貢献するサービスを企画。 この著者の記事を見る
渡辺 「鈍感」というと、一般的にマイナスのイメージがあるでしょう。周りの状況が読めないとか、人の言うことにすぐ対応できないとか。だから鈍感であってはいけない、敏感な方がいい、とされている。でも、鈍感なのは素晴らしいことなんですよ。傷ついてもすぐに立ち直れるし、いろいろなことを言われてもすぐに忘れられる。私が言う「鈍感力」とは、どんな時もくよくよしないで、へこたれずに、物事を前向きに捉えていく力のことです。 皆さんは仕事をする時に、できるだけ立派にしよう、ミスなく完璧にやろうと考えますよね。でも、あえて「もっと鈍感になりなさい」と言いたいのです。どんな仕事でも完全無欠にやろうとするからストレスが増えるんです。1人で抱えてないで、分からなかったら、どんどん人に聞けばいい。鈍感力を持っていればそれができるし、叱られてもへこたれない。気分の切り替えがすぐできるんですね。 体だってそうです。鈍感な方
「コーチを名乗る人」のスキル不足 ビジネスの現場でコーチングがうまく機能しない原因は2つある。第1はコーチのスキル不足であり、第2はコーチングの対象を誤解していることである。 まずスキル不足について書く。厳密にいうと、「コーチを名乗る人」のスキル不足である。それなりのお金と時間を費やし、プロのコーチとして認定され、しっかり経験を積んだ人がいる一方、会社のちょっとしたコーチング研修を受けただけで、部下にコーチングをするように言われたマネジャーもいる。 多くの企業でみられる「自称コーチ」(マネジャー)と「クライアント」(部下)の典型的対話を再現してみよう。 自称コーチ:「最近、仕事に関してどうですか。何でも思っていることを言ってください」 クライアント:「思っていること、と言われても……。何を話したらいいか分かりません」 自称コーチ:「そうですね。たとえば、ちょっと営業成績が落ち込んでいるよう
「横山さん、営業目標の絶対達成そのものから少し離れますが、ぜひ相談に乗ってほしいことがありまして。部下に対するコーチングについてなのですが」 コンサルティング先の企業から、あるいはセミナーの受講者から、こうした質問をしばしば受ける。 本連載の第1回目(『できる人ほど「モチベーション」を口にしない』)に、セミナー受講者にアンケートをとって悩みを聞くと部下のモチベーションがダントツだと書いたが、モチベーションほどではないにせよ、コーチングは現場のマネジャーの間で課題になっている。 昨今、多くのマネジャーが、部下を動かすためにはコーチングだと考え、会社からも要請されているが、なかなかうまくやれていない。 営業目標を絶対達成させるコンサルタントの私に対し、なぜコーチングの質問が来るのか。私がNLP(神経言語プログラミング)のトレーナーアソシエイトであると名刺や自己紹介文に記しているためだろう。「N
2年振りに戻ってきました。旦那の病状がひとまず落ち着きましたので、現場に戻ることにしました。 ただ、現場に戻る前に、色々と整理する上でもいつかやろうと思っていた「本を書く」ことに取り組みました。復帰前に本を書こうと決めたのは昨年の秋くらいでしたが、1月3日まで旦那と私の実家を行ったり来たりしているうちに1月4日になり……。ここで書き始めなかったら単なるクズだと思って、ようやく書き始めました。 社長をやっていた現役時代に本を書く余裕なんて全く無かった。とにかく日々の業務に追われていたので。自分の中で本を書くのは、現役に戻るまでのこのわずかなチャンスしかないと思い、筆を執りました。 毎日、A4で2~3枚くらいでしょうか。少しずつ書き進めていきました。以前からゴーストライターのオファーはありましたが、本を書くなら自分の言葉で書こうと決めていた。決して私の文章は綺麗じゃないし、読みやすくないかもし
この2年ずっと思い焦がれて出した本だ。 Yコンビネーターに注目したのは、2011年1月に『フェイスブック 若き天才の野望』を読んだのがきっかけだった。といっても、この本の中にYコンビネーターは登場しない。衝撃だったのは、シリコンバレーが大きく変わってきている、大きな動きがあることに、自分が全然気づけていないことだった。クラウドやソーシャルネットワークは周知となっていたけれど、もっと別の何かがあるような気がした。気づけていない自分に焦った。 シリコンバレーで何が起きているのか知りたくてTech Crunch Japanをはじめいろいろ読み調べていくと、スタートアップ、リーン・スタートアップ、起業家を支えるベンチャーファンドのYコンビネーター、その創業者のポール・グレアムが浮かび上がってきた。それからマイブームは「スタートアップ」になった。 「リーン・スタートアップ」は提唱者であるエリック・リ
日本のメーカーは、ここ数カ月間でアベノミクスの潮流に乗り、全体としてはやや回復基調をたどってきている。しかし個別に見れば、その多くの企業はいまだに苦境から脱したとは言い難い状況であろう。また、2010年にはGDPが世界第三位へ転落、2011年には世界の特許出願件数も第三位となるなど、近年の日本の相対的地位の低下は顕著である《注》。この傾向は、新興国の目ざましい成長や国内の人口減少予測に鑑みれば、打開するのは至難の業と言える。 競争力の源は人財、しかし流出が絶えない ただ、確実に言えることがある。それは、強い競争力を持つには優秀な人財の育成、確保に、もっと真剣に取り組まなければならないということである。武田信玄の「人は城、人は石垣…」という言葉があるように、組織にとって、人財は何よりも重要である。その質を一定以上に保たない限り、その組織に未来はない。 思えば、かつて日本には、明治維新や昭和の
自販機に500円玉を放り込み、ボタンを押せば、熱々のそばがすぐ食べられる。余裕があれば丼物もお好みのまま。その気がなければ言葉も不要、無言のハードボイルドな世界、それが会社員男子の昼食、立ち食いそば。 …を、女子目線から見てみたらどうなるんだろう、という企画です。体当たりでイラストルポを描いていただくのは「イラストライター」、イトウエルマさん。「dancyu」などでも活躍中の彼女、私の案への最初のダメ出しは「『立ち』はともかく『食い』は品がなくていけません。『立ちそば』ではいかがですか。Yさんの愛読書『めしばな刑事タチバナ』でもそう称していたようですし」でした。そして「『ブルース』は、せめてひらがなにしてください」。うーむ、男性と女性、ここまで感覚が違うのか… と、お互いに戸惑いつつもイトウさんはものすごい熱意で取材を進めてくださって、ここにめでたく連載開始となりました。「会社員の昼飯」を
「結婚したいですか?」 「彼氏はいますか?」 「将来、子供は欲しいですか?」 会社で聞いたら、即問題視されそうな質問を、戸惑うことなく口にするテレビ番組のリポーターやキャスターたち。 「金メダル取って、もてるようになりましたか?」という質問を、柔道家の塚田真希さんやレスリングの吉田沙保里選手にしたVTRを流し、スタジオで笑う人々。 いったい何なのだろうか。不愉快な気分になった。そう、女子サッカーのワールドカップで初優勝を果たし日本中に勇気と元気をくれた、なでしこジャパンのメンバーが帰国後、テレビ出演した時のことである。 「女性だけのチームをまとめるのって、大変でしょ?」 「オヤジギャグは、女性の心をつかむため?」 「全国の女性部下を持つ上司たちが、監督のノウハウを知りたがってるでしょ」 佐々木則夫監督にも、ん? という質問ばかりが繰り返された。 え~っと、つまり、女性部下は扱いにくいってこ
5月上旬、念願かなってアフリカの地を踏んだ。人生初だ。そこで見たアフリカの今の姿は、正直言って想像を遥かに超えていた。というか、想像とは別の世界だった。確かに、野生のキリンやシマウマを目にする機会もあった(物見遊山に出かける時間はなく、国立公園に隣接する取材先へ向かう道すがらに・・・と言い訳しておく)。それでも、「ここ、アフリカだっけ・・・」と取材中、何度もつぶやいてしまった。 「アフリカってどんなイメージ?」 現地取材と前後して、同僚たちや友人たちに聞いた。1番多かった答えは、 「24時間テレビで見たエチオピアの飢餓に喘ぐ子どもたちの姿」 かくいう私もその1人だった。子供時代に見た映像はセンセーショナルで、20年以上が経過した現在でも、脳裏にくっきりと焼き付いている。広大なサバンナで悠然と生きる野生動物。そして、出口のない貧困にあえぐ人たち。干ばつで農作物は育たず、食うに困る生活。子供た
前回、多くの日本企業は自社のコア技術・ノウハウに対して誤解をしているとお話ししました。その誤解の原因は2つです。 まず、自社内にある情報だけをもとに、自社内のスタッフだけでコア技術を分析していること。そして、その分析に深掘りが欠けていることです。 外部の視点や深堀りで真のコア技術を見つけ出せ では、正しく、真のコア技術を探究するには、どうしたらいいか。ここには、踏まえるべき3つのポイントがあります。 (1)外部の視点、(2)深掘りの視点、(3)「コア技術」の強みの定義、です。 (1)外部の視点 ここには、顧客の視点、そして社外ブレーンの視点が含まれます。 人間が、自分では自分の長所を発見しづらいのと同じように、企業もまた、自社の強みを見つけることが苦手です。ですから、まずは周囲に尋ねてみることです。長く取引が続いている顧客がいいでしょう。そこに対して「なぜ、当社と取引をしてくれているのか」
海外に国内に環境対策にと見違えるほど攻撃的になったトヨタ自動車。 牽引役は3年前に創業家が「強いトヨタ復活」を託した型破り社長だ。 社員をぐいぐい引っ張る姿はサラリーマンとは思えない迫力を持つ。 その行動力を支えるのは、修羅場をくぐった自信と、創業家の信頼だ。 激動の時代に異彩を放つ、ビジョンにまっすぐ突き進む経営者である。 =文中敬称略(山川 龍雄) 奥田 碩(おくだ・ひろし)氏 1932年三重県津市生まれ、65歳。55年一橋大学商学部卒業、旧トヨタ自動車販売入社。79年豪亜部長。82年旧トヨタ自動車工業とトヨタ自販の合併と同時に取締役就任。87年常務、88年専務、92年副社長。95年8月社長就任。 ゴルフのスコアはかつて80台だったが、社長になってからは調子が悪い。周囲には謙遜もまじって「俺は百獣(110)の王」と言っている。若いころは競馬、マージャンなどに興じた。特にマージャンは無類
みなさまごきげんよう。 フェルディナント・ヤマグチでございます。 珍しいところから取材を受けたのでご報告を。いえ。私が取材するのではなく、先様が私を取材なさりたい、と。水戸を本拠地とする茨城地盤の常陽銀行。県内の預貸金シェアは4割を超える、地銀業界の雄であります。そのありがたい常陽銀行のシンクタンクである財団法人常陽地域研究センター。通称“常陽アーク”様から恐れ多くも取材の依頼が来たのです。 なんでも月イチで発行されている情報誌『JOYO ARC』で、「いばらきの消費スタイル 第4回 未婚者の消費行動」なるテーマで調査を企画しておられるのだとか。その企画の中で、私にクルマを軸とした話を聞きたい、と。お送りいただいた企画書を読んでみますと、同じ号に掲載されるのは茨城キリスト教大学の偉い先生の研究論文だったり、有名な評論家先生の“格差”についての考察だったり、と私とは“格”が違う本チャン企画が
本連載では、米国ビジネススクールで助教授を務める筆者が、海外の経営学の先端事情を紹介して行きます。 さて、私は昨年『世界の経営学者はいま何を考えているのか(以下、「世界の~」)』という本を上梓したのですが、その中で「『ハーバード・ビジネス・レビュー(以下、HBR)』は、米国の経営学では学術誌とは認められていない」と書いたところ、大変な反響がありました。 これは事実です。HBRは海外の経営学を知る窓口として、日本でもビジネスパーソンの方によく知られています。しかし米国の経営学者のあいだでは、同誌は経営学の「学術誌」とは認識されていません。 たとえば、米国の上位ビジネススクールにいる教授(=経営学者)たちは、評価の高い経営学の学術誌に論文を掲載しないと出世できないのですが、HBRはその基準に含まれていません。 私の様な若手が「HBRに論文を投稿したい」と言ったら、ベテラン教授から「そんな業績に
【はじめに】 「がんばれば、なんとかなる」という時代ではありません。 「なんとなくで、なんとかなる」という時代は、とっくの昔になくなりました。現在の資本主義で生きていくためには、“資本主義経済のルール”を知り、それに沿った努力をしなければいけません。 日々、みなさんの目の前には膨大な情報が転がり込んできます。それらをうまく使いこなさないと足元をすくわれることにもなりかねません。ただし、足元ばかり観るようになると、大局を見失い、「木を見て森を見ず」の状態に陥ります。 そうならないために、“資本主義のルール”を知ることが必要なのです。この連載では、経済学理論や経済古典を背景に、この社会がどういうルールで動いているかを解き明かし、その視点から経済のニュースを解説していきます。知らず知らずのうちに見えなくなっていた暗黙のルールが見えてくるでしょう。みなさんの「視界」をクリアにするヒントがご提示でき
激務の割には低賃金。過大なノルマと軍隊的社風に支配され、離職率は常に高止まり――。劣悪な労働環境の企業が、ネット上で「ブラック企業」と呼ばれ始めたのは、10数年前からだという。匿名掲示板の隠語の1つとして生まれた言葉はその後、若年層に急速に浸透していった。厳しい社員教育や猛烈営業をモットーとするスパルタ系企業、さらには若者の目に「時代遅れ」に映る古い体質の企業までもが、今では「ブラック」呼ばわりされている。 企業が「ブラック」と呼ばれないためには、採用や教育をどう変えるべきなのか。日経ビジネス4月15日号特集「それをやったら『ブラック企業』~今どきの若手の鍛え方~」では、「ブラック」と呼ばれないための、企業の新人教育、採用方法などについて紹介している。 日経ビジネスオンラインでは、同特集との連動連載をスタート。1回目はファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、若手社員の教育方針について語
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く