ギリシアの哲学者プラトンの弟子であるアリストテレスは、「弁論術」の中で、ヒトを説得するのには次の3つの要素が大切だと言いました。 1. エトス(ethos) 2. パトス(pathos) 3. ロゴス(logos) エトスとは、もともとは「いつもの場所」という意味の古代ギリシア語で、そこから人間の性状、習慣という意味に転じました。アリストテレスは、話を始めるにあたっては、まず、自分が何者であるかを確立し、それに対する「信頼を得る」ことが大切だと言ったのです。 パトスとは、理知的な精神に対する感情、情動のことです。ラテン語ではpassioと訳され、passion(情熱)の語源となっています。一見、説得に不要と思われそうな感情の働きも、また、人の心を動かすには、必須の要件だと言ったのでした。 ロゴスは、言葉、論理、理性などの意味です。実際には、たいへん広い意味を持つ言葉で、言語や思想、概念、説