専門を問わずに論文を読んでいると、社会問題を何とか科学にしようとしている人たちの努力に出会う。 主張を科学でとらえる 科学論文としては問題を感じるところもあるが、21世紀に取り組まなければならない問題を科学として確立し、解決を見出そうとする強い意志が感じられる。 自分の意見をそのまま主張するのは科学ではない。 若い世代はフェイスブックやツイッターで自分の主張を述べて満足するのではなく、できれば自分の主張を科学してみる気概が欲しい。 若者を貧困から救う「自己統制」 今回紹介する論文はその点では参考になる。最初は米国科学アカデミー紀要8月13日号に掲載されたノースウェスタン大学からの論文で、タイトルは「社会的貧困層の若者では、自己統制は心理的社会的状況の改善をもたらすがエピジェネティックな老化を早める)」だ。 米国の最大の問題は社会格差と貧困で、成長に対する最も大きなリスクになっている。